「日本全国3億4千万人のパチンコファンの皆様、コンニチハ。パチンコ・ニュースのお時間です。 今日は、先日、東京都大田区蒲田駅西口近くのパチンコ屋"ビッグ・アップル”にて椅子ごと後ろに転倒して2箱分のパチンコ球を引っくり返しフロアーにぶちまけた小野さんの追跡リポートをお送りいたします。では、お願いします」 「はい、こちら現場です。事故からは既に1週間が過ぎ、人の記憶からは事故の事など忘れ去られております。賑やかな店内は小野さんの転倒ブチマケ事故などなかったように、いつもと変わらないパチンコ屋の昼下がりの風景といったところです。丁度その時現場にいらっしゃった従業員の方がいらっしゃるので伺ってみましょう。―――事故を御覧になったそうですね」 「はい」 「どんな感じでした」 「はい、それはもう目を覆うような悲惨な光景でした」 「始めから見ていたのですか」 「はい、何故か、偶然にも」 「説明して頂けますか」 「はい、分かりました。―――あのーー、今思えばあれは小野さんの手だったんですが、大きく上に上げられたんです、2本。揃って。それで私は、はじめ呼ばれたのかと思い小走りでそっちの台の方に行ったんですが、思わず足が止まってしまったんです」 「え、それは何故ですか?」 「えーとですねぇ・・・なんていいましょうか・・・高飛び込みの選手が、背中を向けて飛び込みの試技を開始するようにといいましょうか、オリンピックの水泳の背泳選手のスタートの瞬間といいましょうか、そんな格好でですね・・飛び込むように真後ろに倒れ込む小野さんの姿が目に入ってきたんです・・・」 「背泳のスタート・・・の様にですか・・鈴木大地ですね・・」 「はい、バサロです」 「・・バサロ・スタート!ですか!?あの水中を仰向けのドルフィンキックで潜水して進む、あのピコピコ動きのバサロですか!」 「そうです。私には・・サム・ペキンパーのスローモーションを見るようでした」 「スローモーションですか。・・・ペキンパーですか。―――この例えは、分かる人には本当に良く分かると思いますが、分からない人には・・・・マ、いっか。・・・スローモーションのように見えたわけですね」 「はい」 「続きをお願いします」 「はい、陸に打ち上げられた魚といいましょうか、伊東のハトヤの女の子に抱かれた魚といいましょうか、バサロですピチピチピチピチ・・」 「ふっるぅーー!あなたお年は?」 「22です」 「それで知ってますか!?あのCM」 「伊東に行くなら、ハトヤです」 「あ、あのスポンサーの関係上・・・まぁまぁまぁ・・・。あ、ここカットしといてね・・・。で、どうなりました、そのあと」 「バサロです」 「はいはい、分かりました。でその後は」 「バサロです」 「だからぁーっ」 「ハトヤです」 「だからもぉ、それは無しだってバ!」 「分かりました、失礼致しました。・・・・ナンカ顔怖くありません?」 「いいから!で!!どうしました!!!そのあと!!!!」 「お、ナンカその聞き方面白くないですね。―――バサロで!ハトヤで!!球がジャーーーー!!!小野さんバサロで、ハトヤの球がジャジャジャのジャーーーーー」 「ンな事聞いてんじゃない!」 「駄目ですよ、こんな事で怒ってちゃ。出世しませんよ」 「ほ・っ・と・け!」 「次行きましょうよ」 「行・け・っ!!」 「出世は無理だな、あんた」 「い・い・か・ら、次!」 「オホンッ・・・では気を取り直して、まいりましょう。球の海の中で天井を向き、バサロをする小野さんが、トップに立ちました。」 「?」 「そのままゴールです」 「??」 「世界新記録には届きませんでしたが、やりました!金メダルを獲得しました!!」 「それは!鈴木大地だろ!!」 「やった!小野さん!!一着でゴール、金メダル!!!」 「バカヤロー!!お前人を舐めてんのか!!!アアーーーーーーーッ」 「何。何これ?」 「回ってます」 「?」 「流れてますから・・・本番・・・」 「?・・・・!!・・・・オッホン・・・失礼致しました。只今こちらのミスで、未編集の取材映像が流れてしまいました。謹んでお詫び申し上げます。・・・・って、誰だっ!こんなの流したの、バカヤローッ!!」 「ほ、本番中ですから〜〜〜」 「・・・・ハッ・・・失礼致しました。―――取り乱してしまい大変失礼いたしました。では、オホン・・・・、えー続きまして・・・・・・・・・出世は無理で鈴木大地さんがレポーターのパチンコ球の海で小野明良さんとペキンパー監督のスローモーションは伊東のハトヤで女の子とバサロ・スタートで魚がピコピコ、あーーーこりゃこりゃ・・・・・・・・・・・」 |