「日本全国4億6千万人のパチンコファンの皆様、コンニチハ。パチンコ・ニュースのお時間です。 今日も、先日、東京都大田区蒲田駅西口近くのパチンコ屋"ビッグ・アップル”にて椅子ごと後ろに転倒して2箱分のパチンコ球を引っくり返しフロアーにぶちまけた小野さんの追跡リポートをお送りいたします。では、お願いします」 「はい、レポーターの"出世する蔵"です。え〜本日はデスね、なんと小野さんの御自宅にお邪魔して、その後の様子を語って頂く事にしました。と言う事で田園調布の小野さんの豪邸にお邪魔しております。コンニチハ小野さん・・・」 「おい、何が豪邸だよ、俺んちはブルーシートなの見れば分かるじゃネェか。ま、ブルーシートの家としてはでっかい方だけど、下手なヨイショするんじゃないよ。やっぱお前は出世しないな、何が出世する蔵なんてふざけた芸名まで付けやがって・・・」 「いや、これはのっけから手厳しい・・・恐れ入ります・・・」 「何が恐れ入りますだ、恐れるな」 「はい、かしこまりました」 「オイ今日は良い天気だなぁ」 「はい気持ち良いですね」 「・・・・でも雨が降るんじゃネェか?」 「はい、雲行き怪しいですね」 「・・・・雪になりそうだぞ」 「予報では雪になるって言ってました」 「ん!?お前中々やるな・・・・・。ホントかぁ?雪まで降るのか?」 「はい、予報では晴れ時々曇りところにより雨、一部地方では天気雪が見られるでしょうって言ってました」 「お!お前ちょっと見ないうちに、中々やるね。天気雪なんて良い事言うじゃん。勉強したな、学習してるよな?それだけいい加減な事をスラッと言えれば、おまえも中々見所あるよ、うん、勉強したんだな・・・・宜しい宜しい・・・出世するかも知れねえな・・」 「恐れ入ります・・・、色々鍛えられましたから・・・」 「ん?」 「いえ、別に。・・・・では本題に入らせていただきます。―――小野さん、あの事故のあと反響とかありました?」 「・・・・・・・」 「?・・・どうしました小野さん!いきなり涙ぐんで・・・」 「ウルサイ!・・・・バカヤロー!!」 「いかがなされました?・・・・」 「―――よくぞ・・・聞いてくれた、する蔵さんよ・・・・・。あのな・・・」 「はい」 「あのあと、暫くしてからまたあの店いったんだよ、パチンコやりに。ま、あれだけの大事故を起こしたわけだから、店員は俺の顔を覚えているわな。でも、皆何も無かったかの如く普段の仕事をしているわけだよ。クールに仕事をこなしているわけだ。決して『あ、こけた奴だ』なんて顔はしないわけだよ」 「はい、当然の態度だと思います」 「だろ。でもな・・・・・その日も幸運な事に勝利を収めて、球を集計したわけさ」 「勝利ですか、おめでとう御座います」 「・・・ウッ・・ウッ・・・ウッ・・・」 「どうしました!?小野さん。勝利したのに・・どういう事ですか」 「―――よくぞ・・・聞いてくれた、する蔵さんよ・・・・・。あのな・・・」 「さっきも、そう仰いましたが」 「ウルセーッ」 「あ痛!」 「だからお前は出世しネェって言われるんだ。こういう時は優しくしろ、バカ」 「失礼致しました、どうなされました?」 「―――よくぞ・・・聞いてくれた、する蔵さんよ・・・・・。あのな・・・」 「さっき・・」 「また殴られてぇのか」 「いえいえ、とんでも御座いません」 「―――よくぞ・・・聞いてくれた、する蔵さんよ・・・・・。あのな・・・・・当然集計が終わったあとに・・景品交換所に行ったわけだよ。――――そしたら・・・・、景品交換所には姉ちゃんが二人居たんだけどな・・・・・姉ちゃん二人が俺の顔を見た後、二人で顔を見合わせて、・・・・・ニヤって笑いやがったんだよ・・チクショウ!・・・・」 「そうですか」 「『あ、この間こけた小野だ!ケケケ』って感じでよ」 「はあ、ま、事実ですけどね」 「何!」 「あ痛!」 「マッタク、ちょっと褒めりゃ付け上がりやがって。出世しないよ、する蔵!てめぇは!!」 「すみません、・・・・これ以上のゲンコツは勘弁してください・・・」 「お前次第だ。―――で、俺な、1万発4万円分勝ってたんだけど、悔しいから・・・・」 「どうしました」 「・・・余り球1個の時くれる飴玉あるだろ」 「はい」 「あれを1万個って言ったんだよ・・・景品」 「えっ!飴を1万個ですか」 「そうだよ、悪ぃか」 「いえ、それで」 「そしたら、姉ちゃん二人がよ変身したんだよ」 「変身ですか?」 「そうだよ」 「何に変身したんですか?」 「聞いて驚くな・・・・」 「はい」 「――――南極2号だ」 「え!?南極2号!」 「そーだよ、いきなり南極2号になりやがってさ、これが本当に面白ぇ顔でサ・・・・お前に見せてやりたかったよ、ハッハッハッ・・・鯉みたいな口でパクパク空気吸ってやがるンダヨーー、ギャー八ッハッハッ。『オ、オ、オ、オお客様〜〜』なんていってたよ」 「あーーー、ここはちょっと使えないなーー・・・」 「なんだよ」 「ちょっと放送上使えないので、ナンカ他の言い方ありませんかネェ」 「なんだ、南極2号が駄目なのか?・・・・分かったよ・・・じゃぁ・・・そうだな・・・!・・オランダの妻だ」 「はぁ?なんすか、それ?」 「良く考えろ」 「・・・・はぁ」 「・・・・・・・・オランダは?」 「?・・だ・・・っ・・・ち・・ぃ・・・?」 「そうそう、妻は?」 「!!!だ、ダッチ・ワイフゥゥゥゥゥゥゥーーーーーッ!!!」 「大当たりぃ〜〜〜〜〜」 「ギャーハッハッハッハッ・・・ダッチ・ワイフゥゥゥゥゥゥゥーーーーーッ!!!」 「何。何これ?」 「回ってます」 「?」 「流れてますから・・・本番・・・」 「?・・・・!!・・・・オッホン・・・たびたび失礼致しました。只今こちらのミスで、未編集の取材映像が流れてしまいました。謹んでお詫び申し上げます。・・・・って、3度目で誠に申し訳御座いません。というか・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワザとです。ギャーハッハッハッハッ・・・ギャーハッハッハッハッ・・・ギャーハッハッハッハッ・・・」 |