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2003年11月02日(日)・「旅するラムセス一世」
 先日、深夜の報道番組でラムセス一世とみられるミイラが、エジプトに返還されたと報じていたのを見た。

   何でも約3300年前のファラオ(古代エジプトの王)とのこと。
 このラムセス一世とされるミイラが、米国の博物館からエジプトに返還され、国外に持ち出されて以来、約140年ぶりに祖国に戻った。

 ラムセス一世は古代エジプト新王国時代第19王朝の創始者で紀元前1295年から約2年間王位に就いていた。死後エジプト南部ルクソール郊外の「王家の谷」に葬られたが墓はあばかれ、ミイラは1860年ごろエジプト人からカナダの収集家に売られた。
 その後、米国などの博物館を転々とし、1999年に米アトランタの大学の博物館に。科学的調査の結果、ラムセス一世である可能性が高いと結論づけられたため、世界中に散逸した古代文化財の返還を求めるエジプト政府に引き渡されることになった、との事。



 私は、その報道番組で映し出されたラムセス一世のミイラをみて、まず驚いた。
 あまりに綺麗にその姿をとどめているからである。
 カミサンは、
「生きてるみたい」
と感嘆の声を上げていた。

 そしてそれよりも私が驚いたのは、肉体は朽ちているにも関わらず、ラムセス一世の精神がそこに存在することが感じられたからである。
 ミイラという朽ちた肉体と共に、魂がそこに在る。


 私には科学で証明出来ない感性が多少ある。

 突拍子も無いことを言うので、信じろとは言わない。
 これは、あくまで私の中の事実であるに過ぎない。
 私はそれを証明する方法を持たない。


 とにかくラムセス一世の精神は、生きている。
 朽ちた肉体(ミイラ)は眠る人のごとく、魂を有していた。


 では、その存在する精神は何をしていたのか。

 一言で言えば、旅をしていた。

 3300年前の王は、140年間掛けて自分の朽ちた肉体を伴って北米を旅していた。世界を旅していた。
 自分の肉体に力が無くなり、自ら動くことが出来なくなったにも拘わらず、肉体と共に世界を移動していたのである。
 あるときは墓泥棒を操り、あるときは科学者を操り、あるときは収集家や商人を操り、そしてまた政治家を操り世界を旅していたのである。
 そしていま故郷に帰ってきたのである。

 ラムセス一世は自分の意思で動いていたのである。
 140年前、約3160年を経てラムセス一世は復活していたと言っても良いと私は思う。
 これは私にとっての事実で、現代においては確認証明は出来ない。

 死して3300年を経てなお、周りを意のままに動かしてしまうラムセス一世の精神力というか魂の力に私は驚いた。
 死してなお世界に目を向けているこの執着心。
 恐るべし古代ファラオ。


 かつて、
「ツタンカーメンの呪い」
などという言葉が聞かれたりした事が在るが、実際自分の行動を邪魔する者を排除する能力を、ファラオは死後も有しているのではないだろうか。


 ラムセス一世は死後であるにもかかわらずその肉体を手放すことなく、頑固に肉体を伴って世界を旅していた。
 肉体から開放されることをある意味拒んでいるのかも知れない。
 そのためにミイラという技術を発達させたのだろうか。
 また自己復活のためには、ミイラという可視物体が必要だったのかもしれない。


 ラムセス一世を始め、古代ファラオの肉体(ミイラ)は、生前時の王のように振舞っているではないか。
 豪華な博物館に住み、身の回りのことは全て家来(科学者や職員)が世話をする。とても丁寧に扱われる。
 肉体(ミイラ)が移動するたびに移動先で歓迎を受け、展示場に様々な人が会いに来てお金を置いていく。
 肉体が朽ちているので生活金銭を必要としないが、自分が移動するためにはお金が掛かる。
 肉体保存にもお金が掛かる。
 そのためには、政府までお金を出す。
 完全に王としての振る舞いといって良い。

 私個人の中にはこれらのことに疑問は無い。
 なぜなら私には、魂の会話、精神の会話という感性が私の真実として存在するからである。

 ただ残念なことに私は、目に見えて即物的に何かをするということは不可能なので、彼らの存在を証明することは出来ない。

 今後の科学者に、第六感より先の感性を証明して貰いたいものだ。

 私にとっての真実。

 復活していたラムセス一世。
 世界を旅するラムセス一世。

 恐るべきファラオの執念。

 驚きの魂。
                 


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