中曽根康弘元首相。 怒ってる。 85歳。 何故かって? 小泉純一郎首相から引退勧告を受けたから。 小泉さんは、首相と云うよりも党首の立場として勧告を行った。 早い話、 「あんたは、もう年だから引退しなさい。首斬り辛いから自分で辞めてね」 小泉さんは、73歳定年制という自民党の党紀を例外なく適用しようと言う意図だ。 そうすると中曽根さんは85歳だから当然、バイバイご苦労さん。 何も問題は無い・・・・・・・はず・・・・・なのだが・・・・。 現選挙制度における、 「比例ブロック終身一位」 これが中曽根さんの約束された党内の身分なのだ。 終身という言葉の意味は勿論死ぬまでだ。 そう、死ぬまで。 元気だろうが、よいよいになろうが、入院しようが、植物人間になろうが・・・・・。 とりあえず中曽根さんは、現在元気でかくしゃくとしている。 橋本龍太郎元首相がその首相当時、中曽根さんに約束したのだ。 文字として書き記されたものも存在している。 中曽根さんは、その紙を振り回して 「非礼きわまりない。これ(引退勧告)は、政治テロだ!」 と唇を震わせながら怒っている。 宮沢喜一元首相84歳も同時期に引退勧告を受けた。 「はいはい、そうですか」 と、こちらはあっさり引退。 おかれた立場や状況が違うので、中曽根さんと比較は出来ない。 自民党では、中曽根さんに終身一位を約束した後に73歳定年制が出来た。 さらにその定年制も厳密に適用されている訳ではなかった。 ところが自民党の若返りを謳う小泉さんが、定年制の厳密適用を打ち出した。 身分保障のない宮沢さんはじめ数人の議員は、すんなり定年制適用を受け入れたようだが、中曽根さんだけは違う。 何故なら終身一位、死ぬまで一位だから。 約束は大事だ。 これを覆すには、それなりの理由が無ければ。(定年制は終身一位約束の後から出来た制度だから、理由になるが理由にならない) 誠意を見せなくては。 「こう決めましたから、ハイ宜しく」 では、納得しないよ、人は。 小泉さんはちょっと人気があるから、それを盾に強引に物事を進めすぎるな。 強引に物事を進めるためには、下準備が必要なのだ。 日本流に言うと根回しと言う奴かな。この根回しと言う言葉は私は好きではないが。 道路公団の藤井総裁のときも今回の中曽根さんのことも、段取りを踏んでいれば揉めずに運ぶことが出来たんじゃないの。 小泉さんのやりたい事もわかるが、中曽根さんの怒りももっともだ。 さあ、どうする小泉。 何をやっても、人気があるうちは良いけれど・・・。 要は政治力と人徳だよな。 何をさしてそういうか分からんが、実力だよな。 人気だけに負ぶさっていると、人気がなくなった時往生するよ。 どこかのアイドルと一緒だな、こりゃ。 原監督辞任(読売巨人軍)、 藤井総裁解任(日本道路公団)、 中曽根議員引退勧告(自民党)、 そして俺の監督解任(立教大学拳法部)、 どのケースにおいても思慮がたらんよな、思慮が。 仕切るためには実力がいるのだよ、実力が。 何か分からんが実力だよ。 実の力だ。 ヤクザの手打ちでも、実力の無い奴は仲介できないって言うでしょ。 実力の無い奴らが物事を下手に仕切るから、不平不満が噴出してしまうのだ。 経済だろうが、政治だろうが、スポーツだろうが、ヤクザだろうが、どこだろうがやってることは人間そう大して変わらないんだよな。 ま、実力充分のスーパーマンなんて存在しないのかもしれないが、みな一歩でもスーパーマンに近づこうと努力するべしだ。 |