トップ・ページ一覧前ページ次ページ


2009年01月20日(火)・「ババア7人」
 昨日の昼時。
 インドカレー屋。
 ランチ。
 年配の御婦人7人。
 インド人系スタッフ。


「ナンメイサマデスカ」
「7人」
「ハイ、コチラヘドウゾ」
「この間は、ここに座ったわよ、こっち。・・・・・いいんでしょ」
「・・・・・・・」
「こっちこっち」
        どやどやガヤガヤと席に着く7人。
「暑いわね」
「暑いわ」
「ほんと」
「そうね、暑いわよ」
「ねぇ、ちょっと。暖房消して。消して」
        他の客の事などお構いナシの7人。
        素直なインド人系スタッフ。
「ハイ、(暖房を消し)コレデイイデスカ」
        反応しない7人。ランチメニュ―を見ている。
        人数分には足りないメニュー。
「ねぇ、メニュー頂戴」
「ハイ」
「いいの在るから、あなた」
「無いわよ」
「あるわよ」
「無いわよ」
「あるわよ」
「どこよ」
「これよ」
「あらやだ、あるわ。あっはっはっは」
「あたしねーー、ベジタリアン」
「???」
「ベ・ジ・タ・リ・ア・ン。・・・通じた?」
「ベジタブルカレーデスカ?」
「そ、ベジタリアン。こないだ食べたの」
「ベジタブルデスネ。ベジタブルハヤサイデス」
「そうそうベジタリアン、野菜。こないだと同じの」
「カシコマリマシタ」
「あたし、シーフード」
「あたしわからないわぁ」
「あたしも」
「この間食べたシーフード美味しかったわよ」
「あらそうなの?」
「えぇ、美味しかったわよ」
「何が入ってるの?」
「シーフードは、あれよ」
「何?」
「何よ?」
「あれよ・・・・えーーほら・・・」
「知らないんじゃないの」
「知ってるわよ、ほら」
「ほんとに食べたの?」
「食べたわよ」
「じゃ、何よ」
「何よ?」
「だから、ほら、ほら、あれ、野菜じゃなくて・・・エーーーー・・・・・魚介!」
「あぁ魚介」
「そうそう、エビとか・・・」
「あら、そんなのだったら知ってるわよ」
「そうなの?嘘おっしゃい」
「知ってるわよ、それぐらいあたしだって」
「とにかく魚介よ、魚介。魚介だからね」
「魚介ね、魚介。はいはい・・」
「そ」
「ベジタリアン美味しかったわよ。このあいだ食べたの」
「じゃぁ、そうしようかしら。あなたどうする?」
「わたしはぁ、そーねー・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ナンじゃ無くてご飯ね、私は」
「ナニカレーニシマスカ?」
「ちょっと待って」
「あたし、このあいだここで食べたのよ」
「あら、来た事有るの?」
「えぇ、美味しいのよここ」
「あら、ほんとー?」
「ほんとーよ」
「ベジタリアン誰?」
「あたし」
「あたし」
「え?」
「誰?」
「あたし」
「あなた、さっきシーフードって言ってなかった?」
「あたしじゃないわよ」
「あらそう」
「ゴチャゴチャして分からないわね」
「ほんと」
「あーはっはっはっは!」
「どうしましょ」
「ははは、あたしベジタリアン」
「どーしましょったらどーしましょ」
「はーはっはっは、あたしシーフード」
「じゃあ手を挙げましょうよ」
「そうね」
「そうそう、それが良いわ」
「じゃ、ベジタリアンの人?」
        何人か手を挙げる。
「あたしも」
「あたしも」
「あたしもそれにしよっと」
「あたし、シーフド」
「え、じゃあ何人なの?」
「あたし、シーフード」
「ベジタリアンの人」
        何人か手を挙げる。
「シーフードの人」
        何人か手を挙げる。
「どっちよ」
「私、ベジタリアン」
「私、シーフード」
「あたしも」
「あたしも」
「あたし、ベジタリアン。ナンもご飯もいらない」
「あたし、シーフー【ゴ】」
        全員が手を挙げている状態。
「エー、ベジタブルガナンメイサマデスカ?」
「あたし」
「私」
「あたしも」
「あたし、ナンじゃ無くてご飯」
「4ツデイイデスカ?」
「そうね」
「ヒトツガゴハンデ、ヒトツハナンモゴハンモイラナイデスネ」
「そ」
「カシコマリマシタ」
「あ、やっぱりあたしシーフードにするわ」
「なんで?」
「どうしたのあなた急に」
「やっぱりそっちがいいの」
「全く、決まらないじゃない」
「じゃぁ、もう一度手をあげましょう」
        全員が手を挙げる。
「分からないわよ、これじゃ」
「あははは」
「下ろして」
        手を下げる。
「ベジタリアンの人」
「はい」
「はい」
「あたしも」
        何故かみんな手を挙げている。
「分かった?」
        全員が手を挙げている。
「3ツデスカ」
「そう」
「そう」
「あたしも」
「ヒトツハゴハンデヒトツハナニモナシデスネ」
「違うのあたしは、シーフードにするから」
「エ?」
「何も無しは、シーフード」
「カシコマリマシタ」
「シーフードの人?」
「あたし」
「はい」
「あたしもよ」
「あたしもだから、4つ」
「ハイ、カシコマリマシタ。ヒトツハナンモゴハンノイラナイデスネ」
「そうそう」
「あ、ベジタブル一つご飯て言ったけど、やっぱりナンにして」
「あら、やっぱりそうするの?」
「だってみんなナンなんですもの」
「カシコマリマシタ。ベジタブルカレー3ツデスネ」
「あーー、やっぱりご飯にするわ、ご飯。ご飯ね」
「カシコマリマシタ。ベジタブルカレー3ツデヒトツハゴハンデスネ」
「そうよ」
「シーフードカレー4ツデヒトツハナンモゴハンモナシデスネ」
「そう。分かった?」
「大丈夫?」
「ハイ、アト、ランチニハオノミモノガツキマス」
「あら!」
「そうなの?」
「そうよ」
「あなた知らないの?」
「いけない?」
「いけなかないわよ」
「付くのよ」
「へぇー」
「ね。そうよね」
「ハイ、チャイ、アイスチャイ、コーヒー、ウーロンチャ、ラッシー、カラエラベマス」
「え?ちゃい??」
「ハイ」
「何それ?」
「ねぇ、なによそれ」
「あたし知らないわ」
「チャイハデスネ・・・」
「ラッシーって何?」
「ラッシーハデスネ」
「ラッシーはね!あなた!!!」
「なぁに」
「――――犬よ・・・・」
「犬?」
「そうよ」
「・・・犬?」
「そう」
「あ!」
「名犬ラッシー!!」
「あーーーーっはっはっは・・・」
「うわぁーーーーーはっはっはっは・・・」
「おぉーーーーーほっほっほっほっほっほっほっほ・・・・・」
「ギャーーーーハッハッはっはっはっはっはっはっはっはっは・・・・・」
        響き渡るババア7人の馬鹿笑い。
        この後も、注文は続く。


 ババア7人の注文は手がかかる。
 それにしても、インド人系スタッフの忍耐力は素晴らしい!!

 見習わねば。



 ババアども!
 しばいたろか!!



トップ・ページ一覧前ページ次ページ