昨日の昼時。 インドカレー屋。 ランチ。 年配の御婦人7人。 インド人系スタッフ。 「ナンメイサマデスカ」 「7人」 「ハイ、コチラヘドウゾ」 「この間は、ここに座ったわよ、こっち。・・・・・いいんでしょ」 「・・・・・・・」 「こっちこっち」 どやどやガヤガヤと席に着く7人。 「暑いわね」 「暑いわ」 「ほんと」 「そうね、暑いわよ」 「ねぇ、ちょっと。暖房消して。消して」 他の客の事などお構いナシの7人。 素直なインド人系スタッフ。 「ハイ、(暖房を消し)コレデイイデスカ」 反応しない7人。ランチメニュ―を見ている。 人数分には足りないメニュー。 「ねぇ、メニュー頂戴」 「ハイ」 「いいの在るから、あなた」 「無いわよ」 「あるわよ」 「無いわよ」 「あるわよ」 「どこよ」 「これよ」 「あらやだ、あるわ。あっはっはっは」 「あたしねーー、ベジタリアン」 「???」 「ベ・ジ・タ・リ・ア・ン。・・・通じた?」 「ベジタブルカレーデスカ?」 「そ、ベジタリアン。こないだ食べたの」 「ベジタブルデスネ。ベジタブルハヤサイデス」 「そうそうベジタリアン、野菜。こないだと同じの」 「カシコマリマシタ」 「あたし、シーフード」 「あたしわからないわぁ」 「あたしも」 「この間食べたシーフード美味しかったわよ」 「あらそうなの?」 「えぇ、美味しかったわよ」 「何が入ってるの?」 「シーフードは、あれよ」 「何?」 「何よ?」 「あれよ・・・・えーーほら・・・」 「知らないんじゃないの」 「知ってるわよ、ほら」 「ほんとに食べたの?」 「食べたわよ」 「じゃ、何よ」 「何よ?」 「だから、ほら、ほら、あれ、野菜じゃなくて・・・エーーーー・・・・・魚介!」 「あぁ魚介」 「そうそう、エビとか・・・」 「あら、そんなのだったら知ってるわよ」 「そうなの?嘘おっしゃい」 「知ってるわよ、それぐらいあたしだって」 「とにかく魚介よ、魚介。魚介だからね」 「魚介ね、魚介。はいはい・・」 「そ」 「ベジタリアン美味しかったわよ。このあいだ食べたの」 「じゃぁ、そうしようかしら。あなたどうする?」 「わたしはぁ、そーねー・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ナンじゃ無くてご飯ね、私は」 「ナニカレーニシマスカ?」 「ちょっと待って」 「あたし、このあいだここで食べたのよ」 「あら、来た事有るの?」 「えぇ、美味しいのよここ」 「あら、ほんとー?」 「ほんとーよ」 「ベジタリアン誰?」 「あたし」 「あたし」 「え?」 「誰?」 「あたし」 「あなた、さっきシーフードって言ってなかった?」 「あたしじゃないわよ」 「あらそう」 「ゴチャゴチャして分からないわね」 「ほんと」 「あーはっはっはっは!」 「どうしましょ」 「ははは、あたしベジタリアン」 「どーしましょったらどーしましょ」 「はーはっはっは、あたしシーフード」 「じゃあ手を挙げましょうよ」 「そうね」 「そうそう、それが良いわ」 「じゃ、ベジタリアンの人?」 何人か手を挙げる。 「あたしも」 「あたしも」 「あたしもそれにしよっと」 「あたし、シーフド」 「え、じゃあ何人なの?」 「あたし、シーフード」 「ベジタリアンの人」 何人か手を挙げる。 「シーフードの人」 何人か手を挙げる。 「どっちよ」 「私、ベジタリアン」 「私、シーフード」 「あたしも」 「あたしも」 「あたし、ベジタリアン。ナンもご飯もいらない」 「あたし、シーフー【ゴ】」 全員が手を挙げている状態。 「エー、ベジタブルガナンメイサマデスカ?」 「あたし」 「私」 「あたしも」 「あたし、ナンじゃ無くてご飯」 「4ツデイイデスカ?」 「そうね」 「ヒトツガゴハンデ、ヒトツハナンモゴハンモイラナイデスネ」 「そ」 「カシコマリマシタ」 「あ、やっぱりあたしシーフードにするわ」 「なんで?」 「どうしたのあなた急に」 「やっぱりそっちがいいの」 「全く、決まらないじゃない」 「じゃぁ、もう一度手をあげましょう」 全員が手を挙げる。 「分からないわよ、これじゃ」 「あははは」 「下ろして」 手を下げる。 「ベジタリアンの人」 「はい」 「はい」 「あたしも」 何故かみんな手を挙げている。 「分かった?」 全員が手を挙げている。 「3ツデスカ」 「そう」 「そう」 「あたしも」 「ヒトツハゴハンデヒトツハナニモナシデスネ」 「違うのあたしは、シーフードにするから」 「エ?」 「何も無しは、シーフード」 「カシコマリマシタ」 「シーフードの人?」 「あたし」 「はい」 「あたしもよ」 「あたしもだから、4つ」 「ハイ、カシコマリマシタ。ヒトツハナンモゴハンノイラナイデスネ」 「そうそう」 「あ、ベジタブル一つご飯て言ったけど、やっぱりナンにして」 「あら、やっぱりそうするの?」 「だってみんなナンなんですもの」 「カシコマリマシタ。ベジタブルカレー3ツデスネ」 「あーー、やっぱりご飯にするわ、ご飯。ご飯ね」 「カシコマリマシタ。ベジタブルカレー3ツデヒトツハゴハンデスネ」 「そうよ」 「シーフードカレー4ツデヒトツハナンモゴハンモナシデスネ」 「そう。分かった?」 「大丈夫?」 「ハイ、アト、ランチニハオノミモノガツキマス」 「あら!」 「そうなの?」 「そうよ」 「あなた知らないの?」 「いけない?」 「いけなかないわよ」 「付くのよ」 「へぇー」 「ね。そうよね」 「ハイ、チャイ、アイスチャイ、コーヒー、ウーロンチャ、ラッシー、カラエラベマス」 「え?ちゃい??」 「ハイ」 「何それ?」 「ねぇ、なによそれ」 「あたし知らないわ」 「チャイハデスネ・・・」 「ラッシーって何?」 「ラッシーハデスネ」 「ラッシーはね!あなた!!!」 「なぁに」 「――――犬よ・・・・」 「犬?」 「そうよ」 「・・・犬?」 「そう」 「あ!」 「名犬ラッシー!!」 「あーーーーっはっはっは・・・」 「うわぁーーーーーはっはっはっは・・・」 「おぉーーーーーほっほっほっほっほっほっほっほ・・・・・」 「ギャーーーーハッハッはっはっはっはっはっはっはっはっは・・・・・」 響き渡るババア7人の馬鹿笑い。 この後も、注文は続く。 ババア7人の注文は手がかかる。 それにしても、インド人系スタッフの忍耐力は素晴らしい!! 見習わねば。 ババアども! しばいたろか!! |