ところで、カミさんが回したビデオに、 「オトーさん、がんばれー」 「おトーさん、がんばれー」 と、小さく控えめの声ながらずっと応援してくれている子供の声が、入っていた。 姿は写っていないが、カミさんの横にいた子供の声が断続的に入っている。 子供が俺の背中を押してくれていた事を改めて知る。 5月19日(月) スポーツの試合などの翌日は何もしたくないのだが私は、身体をほぐす程度の運動をして翌々日からボーーーーーッとすることにしている。そういう習慣が昔からある。 ジムでストレッチマンに変身。 試合前に練習に付き合ってくれたくれた方たちがいたが、一から説明するのも面倒臭いし、どう説明して良いかわからずウダウダしているうちに、説明しそびれてしまった。 お世話になったのに、これはまずい事をしてしまったなと、後悔している。面倒臭がらずに報告するのが、人としてとるべき道だったと反省。 今度会ったら謝らねばイカンな。 「事務局に連絡入れたんですが、担当の方がいらっしゃらなくて、向うからの連絡待ちです」 と、会長。 「わかりました。どういう形であれ主催者側の公式回答だけは頂くようお願いします。主催者が正式に文書で提出してくれとか言うなら、そういう作業私やりますから」 「イエイエ、私の方でしっかりやりますから、小野さんは待ってて頂いて大丈夫です」 若いが、会長はしっかりしている。 5月20日(火) 夕方、会長から連絡が入る。 「今日、担当者と連絡がつきまして事情を説明したところ、ビデオを送る事になりまして、明日私がビデオを郵送します」 「色々スミマセン」 「ビデオが向うに到着してからの審議検討になるので、もう少しお時間下さい」 「わかりました」 多分、水曜日にビデオを発送。 木曜日に、到着。 そして、木曜の午後か、金曜日に審議検討という段取りになるだろう。 5月23日(金) 今のところ連絡無し。 普段どおりに我が店”ワイルドバンチ”の営業。 お店の常連で、やはり同じジムに通うT氏が来店。ジム帰り。 キックボクシングの構えをしながら店に入ってきて、開口一番、 「マスター、おめでとう御座います」 「?」 「―――あっ、まだ知りませんでした?」 「何が?」 と言いつつ、勝敗逆転したのかなと脳裏をよぎる。 「あ、言っちゃいけなかったかな。―――今日ジム行ったら、トレーナーの福富さんがマスターの勝ちになりましたって、そういってましたよ」 「あ、そう」 「えぇ、おめでとう御座います」 「まだ会長から正式な連絡来てないのでぬか喜びは出来ないけど、有り難う御座います」 「会長は、何か急用で姫路だかどっかに行かれたみたいですけど・・・・」 「あ、そう。じゃ、明日でも連絡はいるでしょう」 「そうですね」 営業終了後、Y’ZDジムのサイトを開き会長のブログを見ると、私が勝利した旨書き込まれていた。 よし!勝利だ。 この時点で100%の勝利を確信。 5月24日(土) 夕方、店と家の買い物でカミさんとスーパーへ。 買い物の最中に、会長から携帯電話に連絡が入る。 買い物カートをカミさんに任せ店内を出て、駐車場で話す。 「マスター。マスターの勝ちになりましたので、おめでとうございます」 「アー、そうですか。有り難う御座います」 「もっと早くお知らせしなくちゃいけなかったんですけど」 「いや、昨日ブログ見たら書いてあったから」 「あ、御覧になりました?」 「えぇ、あと昨日T氏が店に来て言ってたんで、後は公式連絡を待つだけダナ、とは思ってたんですよ」 「あー遅くなってスミマセン、ちょっと姫路の方に・・・」 「あ、それも聞きましたから」 「あ、そうですか」 「主催者のJ-NETWORKは、どんな感じでした」 「えぇ、向うもとても真摯に誠実に対応してくれまして、今後こういうことの無い様に集計方法の見直し改善に取り組む。との事です」 「あー、そうですか」 5分ほど詳細などを聞き、礼を言ってスーパーの中に戻る。 「会長からだった」 「何だって?」 「俺の勝ちになったってさ」 「あ、そう。ちゃんと見てくれてよかったね」 「そうだな。普通映像なんて残らないから、ワケ分からないまま負けちゃうんだろうけど、今回お前がカメラを回してくれていたおかげで負けずに済んだ」 「そうね」 「増してや、ミスが写り込んでいるなんて奇跡に近い」 「ホント写ってて良かったわよね」 「―――お前のおかげだ」 「―――――」 「―――ごくろうさん」 「―――――」 このような経緯で判定は覆り、私は勝利を収める事になりました。 応援してくださった皆様、誠に有り難う御座いました。 戦ったのは自分ですが、自分だけではなく、応援、サポートしてくれる皆様があってこそ初めて勝利できる、という事を実感、痛感した”チョイワルFIGHT2”で御座いました。 何をやっても人生、修行と勉強ですな。 ところで・・・・・、会長とのやり取りの中で・・・気になる・・・一言が・・・。それは、 「・・・それでですね、謝罪、お詫びというわけでは無いんですが、J-NETWORKの方からですね、次回マスターの試合出場費を免除する旨、申し出がありましたので・・・・」 次の事は、何も考えていなかったのに、、、わし・・・・、また・・・やらな・・イカン・・みたい・・・な・・・・。 誰か・・・何か・・・・・仕組んで無い? |