月曜日に初めて私の店”ワイルドバンチ”に来たお客様。 「3ヶ月前に沼部に越して来たんです」 火曜日、に再来店。 「あ、どうもどうも、いらっしゃいませ」 他愛もない話をしながら、しばし歓談。 フード・メニューを眺めるお客様。 「メニューに、この自然薯が多いのは何かわけがあるんですか?」 「?、あー、私以前お好み焼き屋をやっていたんですよ。それでその時自然薯を使っていたもので」 皆様ご存知かとは思いますが、関西風のお好み焼きは、山芋を使うのですよ。 自然薯は価格が高いので、中々お好み焼きで使うには贅沢で難しい処なのです。しかし私は踏ん張って使っていたのです。 そんなことは、さて置いて、 「あ、そうなんですか。どちらでやっていらっしゃったんですか?」 「エー、新宿で5年。自由が丘で5年やっていました」 この時お客様の目が、”もしかして!”という感じでキラリと光った。 「え!?新宿はどちらで?」 「西新宿です」 光った目が、”ひょっとして!!”という感じでさらに見開かれた。 「西新宿のどの辺ですか?」 「西新宿7丁目です」 光って見開かれた目は、真ん丸まで見開かれ"確信を持った怒涛の勢い”で迫ってきた。 「お店の名前は、なんていうお店だったんですか?」 「良久です」 「りょ!りょーーきゅーーーーーーーーーーーっ!!行ってましたよ、行ってましたよ、私行ってましたよ」 「え!!!そうなんですか!?」 「行ってましたよ!お好み焼きは良久しか行かなかったんですから」 「アー、そうですか、イヤーさかのぼって有り難う御座います」 「そうだそうだ、自由が丘に引っ越すって言うお知らせもらって、”引っ越しちゃうね”って女房と話してたんですよ。子供二人連れてよく伺ってたんですよ」 止めどなく新宿時代の話に花が咲く。 その状況を横で見ていた別のお客様がしみじみと、 「こんな事って、あるんですねー」 場所柄、自由が丘は近いので、自由が丘の良久に行った事があるお客様が知らずにみえたこともあるのですが、新宿時代のお客様は、中々どうして・・・・。 |