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2007年08月28日(火)・「舟木一夫の底力」
【芸能生活45周年・舟木一夫新橋演舞場8月公演】

 第一部 銭形平次
 第二部 歌謡ショウ

 知人が出演しているので、26日昼の部を観て来た。
 私は、特に舟木さんのファンというわけでは無い。
 今までにも数々のスターの座長公演を見てきた。

 いわゆる商業演劇と呼ばれる、ある意味王道を行く舞台。
 そう言う意味では、想像がつく舞台ではある。そしてはずさない。楽しめる。

 初めて見る舟木さんの公演は、一部、二部ともにとても楽しめるものだった。


 そして、今日本の商業演劇界で一番客を呼べるのが舟木一夫その人なのだ。御年62歳でエネルギー、ビンビン。40数年前のアイドルは、今でもババァの、いや叔母様たちのアイドルなのだ。



 公演を、特に第二部の歌謡ショウを見ていて私は舟木さんの底力に驚いた。

「銭形平次」の主題歌の前奏が始まるなり、新橋演舞場観客席のバァさん、いや叔母様たち総立ち。60歳前後の派手に着飾ったバァさん、いや叔母様たちの群舞、ダンス、ノリノリ。1階、2階、3階席まで私以外の観客総立ち。
(ナンなんだこの光景は!)
(凄い!!)
(オイ!お前ら動けるじゃねぇか。普段は、体のどこが痛い、ここが痛いといって家事をさぼってるんじゃァ無いのか)
(いや、・・・・元気ならそれで良い・・・・)

 リズムを取れていないペンライトが右に左に、上に下に。
 続々とバァさん、いや叔母様たちが手に何かを持ち舞台に押し寄せる。歌いながら受け取る、舟木さん。エルビス・プレスリーのようにキスまではしないが、舞台を埋め尽くす、贈り物と花束。

 どんな新興宗教でも60過ぎのバァさん、いや叔母様たちをあそこまで踊らせることは出来ないだろう。
 これが出来るのは、今はマツケンサンバくらいでは無いだろうか。いやマツケンサンバでもバァさん達は座って手拍子を打つ位かも知れない。

”バァさん、いや叔母様総立ち狂気乱舞”
 一日だけの公演ならそれも有りだろう。
 しかし聞くところによると、毎日踊りとずれたペンライトと贈り物と花束の嵐が吹いているそうな、なんと一ヶ月間。

 今日本で”バァさんの乱舞”いや”叔母様の乱舞”この現象を引き起こせるのはただ一人、舟木さんだけらしい。

 恐るべし、舟木一夫の底力。
 私は、感動した・・・・舟木さんに・・・・・・バァさん、いや、叔母様たちに。

 なんか、大事な大切な時間と空間を共有させていただいたような気持ち。
 舟木さんとバァさん、いや叔母様たちに感謝。

 宣言。
「今日から舟木一夫の、踊らない、ペンライトを振らない、贈り物をしない、花束を持っていかない、『高校三年生』しか知らないファンになります」



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