VPといって、公共メディアに乗る事の無いビデオがある。 企業製作ビデオで、その企業内の社員教育に使われたり、宣伝に使われたり、取引先に配られたりするビデオ作品である。 今日、手袋会社のVPの撮影でスタジオに行ったとき、通勤時間帯の電車に久々に乗った。 高校のときは毎日混んだ電車に乗って通学していた。 しかし今では殆ど乗ることの無い通勤電車。 よって遭遇する事の無い通勤ラッシュ。 ・・・・酷いな・・・・通勤電車・・・・・通勤ラッシュ。 ある程度、覚悟はしていたのだが・・・・・・。 人が多くて混んでいるのは予想通りといおうか、覚悟が出来ていたので、苦ではない。 しかし、そこにいる一握りの人間の不愉快な事・・・。 戸袋のとこにしがみ付いて、どんなに流れに逆らおうが動かない奴。 (邪魔だ、退けよ) どんなに混んでいても、人の頭のところで本や新聞を読む奴。 自分の新聞より、人の頭が邪魔だと言わんばかりにカサカサ大袈裟な音を立てて新聞を折り返す。 そのくせ目が合うとスッと横を見て、私は何もしてませんよと言う顔を作る。 (その新聞、丸めて頭ひっぱたいたろかー) ウォークマンだかアイポッドだか知らねぇが耳に突っ込んで聞きながら、携帯を必死にいじくって、頑として動かない奴。 (耳に突っ込むのは、補聴器にした方がいいんじゃねぇかぁ) ノースリーブの服を着ているのに、あたしに触るんじゃねえよという顔をしている女。 (さわらねぇよ、バーカ。接触するのが嫌ならそんな服着てんじゃねーよ。俺の方がお前の脂身に触れて不愉快じゃ) 胸の開いた服を着ているくせに、覗いてんじゃねえよと言う目をして周りを一通り目で抑える女。 (のぞかねえよ、ブース。本当は見てほしいんじゃねぇのか) 駅での人の乗り降りの時、不自然に女性の方に接近する痴漢もどき。 (気持ちは分からないでもないが、同じ男として君の人生は否定します) 人に体重をあずけ、自分の足で踏ん張ろうとしない奴。 (おい、お前みたいな奴は会社でも絶対嫌われているぞ!) 人の乗り降りの時、大勢降りてわずか一瞬車内がすいた時、いきなりバッグからペットボトルを取り出しラッパのみをするネーちゃん。 (俺はもともと通勤電車内で、飲み食いする奴が嫌いだ。それがたとえすいている電車であろうが) もっともっと他にも居るだろう、変な奴等が。自己中心な不愉快なやつ等。周りが見えない、周りの空気を読めないノータリン。 サラリーマンは凄い。 こんな不愉快なノータリン達と毎日すれ違いながら会社に行く。 サラリーマンは会社に行くまでが一労働だ。 ラッシュ時の通勤電車に毎日乗るサラリーマンは偉い! 私には絶対真似出来ない。 通勤ラッシュの電車なんかに乗ったら、一日に何十回とノータリンと喧嘩をしなければならなくなる。 それを我慢するとしたら、そのストレスは計り知れない。 私だったら精神が歪んでしまうだろう。 会社に行く前に通勤電車で一労働、会社に行って一労働。 ホントに、ホントに、ご苦労ー様でございます。 仕事後に、一杯ぐらい飲みなさい。 今日も一日、お疲れ様でした。 通勤ラッシュの電車だけを見ているとサラリーマンに優しい声を掛けたくなる。 嗚呼、偉大なるかな通勤サラリーマン!! サラリーマンを侮ってはいけない。 でも、あの変なやつ等、ノータリンども、あれ何とかならんのかね。 あのノータリンどもも多分サラリーマンやOLではあるのだとおもうのだが・・・・。 ところで、通勤電車のサラリーマン、OLの表情は皆暗い。 嫌な仕事を我慢してやっているのだと一瞬にして人に伝える、完璧な表情。 会社に近ずく頃には、仮面をつけて修正するのだろう。 あのノータリンどもも優秀社員面をするのだろう。 サラリーマンの皆様、通勤電車以外のことでも偉大な人になってください。 日本の働く人口の60%とも言われるサラリーマン。 だから・・・・頑張って・・・・・税金を・・・・・・・一杯・・・・・払ってね。 俺達が日本を支えているんだと、自負と自身を持って通勤電車に立ち向かっていってください。 そうすれば”真に偉大なるかなサラリーマン”と日本中から、尊敬の眼で見られることでしょう。 俺が金持ちだったら、いくらでも税金納めちゃうんだけど・・・・・無いから。 え?何? 君等が、税金一杯納めるのに、俺は何もしないのは不公平だって? よし、わかった、俺は納税能力に乏しい分、約束しよう。 戦争になったら、一番危険な最前線に参ります。 もし納税額の高低で戦争時の任務の危険度が決まるとすれば、みんな危険回避のために 「私はもっと払います」 なんて事を言い出すかもしれないな。 「アーー、君は納税額ゼロだから最前線。ウーーー、そちらは高額納税者だから参謀本部。君は生活保護受けているから、特攻隊ね」 脱税罪じゃなくて、過納税罪なんて罪が生まれるかもしれないな。 本日、偉大なるサラリーマンを見てこんなことを考えたよ。 些細な事ではあるが兎に角、通勤時におけるサラリーマンに、わしは頭が下がるよ。 偉大なるかなサラリーマン。 ところで君! 君は、ノータリンじゃないだろうな!! |