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2007年04月30日(月)・「俺は神様」
 沼部S、店内。

「仲裁は時の氏神」
この言葉が正しいなら、私は昨日神様だった。
 厳密に言うと止めたり仲裁した訳じゃないんだが、結果止まった。

 俺は立ち上がった。
「お前らウルせーぞ。やるなら、外でやれ」
蹴りを放ち優位に立っていた方は、
”ウルセェな!文句あんのか!!”
と云う顔をしたが、私との勝負は0.1秒で終わった。

 形勢不利だった方は、
”助かったーーー”
と、文字通り神を見る目つきで私を見た。

 間を行き来して困っていた二人は、
”止めて頂いて、誠ぉ〜に有り難う御座いました。深ぁ〜〜く御礼申し上げます”
なんて顔は、していなかった。目を見開き、口をボーーーーーーっと空けて俺を見ていた。

 ようやく法的に問題なくお酒が飲めるようになったばかり、という風の4人組。
「イヤ、こいつ初対面でイッコ下のくせしやがって、俺にため口ききやがったんすよぉ」

 はあぁ〜〜ん?

 ガードして無いところからパンチが飛んで来たような気分。
(そ・・それを、俺に訴えてどーーーーーーーするよ)
(俺は、お前らの兄ぃじゃねぇよ。増してや親でも先生でも・・・・)
(ま、かつては俺がそんな気分になったこともあるよ・・・だけどね・・・・・お若ぇの・・・)
「そんなことは、俺は知らねぇよ。やるなら外でやれ!」
”ぁ・・・あ〜〜〜訴えが・・・・却下されちゃった”
「(精一杯のニコッ)ま、平和に行きましょ、平和に。ね、穏便に・・・・・楽しくやりましょうよ・・・」

 1時間後、奴等は仲良く喋っていた。若さの良い処。
 ただ一人、形勢不利だった奴は、最後まで”塗り壁”のような表情が崩れる事は無かった。
 そして奴等は、
「すみませんでした」
の言葉を残し、仲良く帰っていった。


 連れに聞いた、
「あんな感じで良かったかな」
「うん、いいんじゃねぇか」
「あれで良かったんじゃないですか」


 知らん振りや、見てみぬ振りをする風潮の昨今、俺の行動は時代遅れかもしれない。

 しかし、
「仲裁は時の氏神」

 昨日私は、神になった・・・・・・・・ナンチテ。



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