私は、普段電車をあまり使う事がない。 先日、久しぶりに渋谷から東横線に乗ったとき。 ??・・・・なぜか? 周辺多数の女性がチラチラと私を見る。 皆何か言いたげなような・・・・・そんな気がするのは・・・・思い過ごし? (今日は喪服とはいえスーツでビシッと決まってるからな、ふっふっふっふ) ちら見女性。 (コートも中々良いだろ、うっふっふっふ) また別の女性がチラリと見る。 (最近減量して痩せたしな、むっふっふっふ) 後ろの女性が胸を俺の肘の辺りに押し付けてくる。 (随分サービスが良いじゃねぇか今日は、ぇえ) (クソ、この場にカミさんとガキがいなきゃ・・・・・・なんかもっといいことがありそうな・・・・・) (それにしてもそういえば今日は女性が多いな) (ま、こんな運の良い日もあらぁな) 自由が丘の駅で人波に合わせていったん下車。 多数の女性が俺に視線を送る。 そんな視線を背中に感じながら、 (オイオイ!そんなに見つめるなよ、すぐ戻ってくるから) 父と中学生娘と思しきカップルが俺の前を電車に乗り込む。 続く私ども一家。 父と中学生娘カップルの父が、いきなり踵を返して降りようとする。 (馬鹿ヤロー、さっさと乗りやがれ。発車ベルが鳴ってんじゃねぇか) 押し込む私。 父、流れに逆らう事をあきらめ乗り込む。 父、何故か伏目がちに下を向く。 再び視線の嵐。 (ふっふっふっふ、はっはっはっは) (―――・・・・?) だが、今度の視線は、さっきよりキツイ・・・・・様な気がする。 (―――なんか変だな) (ど〜〜〜も、おかしいぞ) そのとき、私の視界にドア近くに張られた一枚のシールが飛び込んでくる。 字を読む。 ・・・・なになにぃ・・・・、 「女性専用車両」 文字が、脳内ズームアップ作業ででかくなった。 |