PHOTON


日本で製作された、日本では見られないアメリカの子供向けテレビ番組。幻のSF娯楽作品「フォトン」の小野明良的解説。

フォトン概要

 ”Let the darkness grow.”(闇を広げろ。)を合言葉に宇宙征服を目指す「闇の軍団」と、”The light shines”(光輝け。) を合言葉に、それを阻止するボーディ・リーを中心とする「フォトン戦士」の戦いを描いた作品。  フォトンゲーム(レーザー銃の打ち合い)をやっていた青年が、突如宇宙で選ばれたフォトン戦士となるところから物語は、始まる。

フォトン・キャスト

 15年前の事で、記憶違いや忘れてしまっている事も多いのですが、覚えているメイン・キャストを挙げます。  日本人キャストについては、みなキャラクター・ワードローブのなかに入っているので顔はでません。  厳密な意味で出演というには、疑問の残るところではあります。 フォトン戦士   主役 ボーディ・リー(地球の白人青年)・・・・・・・クリストファー・クリス(厚木基地に住む、当時19歳)             隊長リオン(トカゲの宇宙人)・・・・・・・・・小野明良(私)             ベイサン(金属戦士)・・・・・・・・・・・・・グラハム・レイビー(空手4段のイギリス人)             パーシバル(地球の天才黒人少年)・・・・・・・エロス少年(アメリカンスクールに通う、当時11歳)             アンクル・パイク(マシュマロみたいな宇宙人)・金丸君(アクションチーム所属) 闇の軍団        サム(宇宙海賊)・・・・・・・・・・・・・・・忘れた(太った酒飲みアメリカ人)             忘れた(強いが悪い地球人?)・・・・・・・・・アンソニー(生意気な19歳の、大柄アメリカ人)             忘れた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長塚美登(当時、三船芸能座)             ティヴィア(どこかの星の武道の達人)・・・・・忘れた(人前で平気で屁をこくイギリス人女性)              悪の子分ソールダール達・・・・・・・・・・・・日本人俳優達             その他、ゲスト多数。

フォトン解説

 1986年7月から12月までの半年間(2クール・23本位)日本で撮影された、アメリカの子供向けSFテレビ番組。 日本では、未放送。アメリカでの放送時期はよくわかりませんが、製作時期とあまり離れてはいないと思います。   どういう経緯か私はよく知りませんが、アメリカのテレビ製作会社から発注を受けた「ユリーカ」という日本の製作会社が、 実際に製作しました。  ですから当然スタッフは、発注元のプロデューサーを除き全部日本人です。  キャストは、顔の出るキャラクターは日本にいるアメリカ人、イギリス人。被り物を被って顔が出ないキャラクターは、日 本人というスタイルで撮影されました。   撮影はその大半を日活撮影所の第8、第10セットに作られたブルーバックの前で行いました。画面合成のために使われる 撮影方法ですが、俳優にとっては味気ないものとなりがちです。  日本に発注された理由は、製作コストを抑えるためです。  当時も今も、特殊撮影技術はアメリカが最先端ではありますが、アメリカで機材をそろえるととても高くつくものでした。  日本で、ほぼ同様の機材をを集めても安く上がり、東京を出ることなく全てが揃えられるからでした。アメリカで同じか それ以上の機材を揃えようとすると、大手製作会社の機材リース料は高く、また距離的な問題も出てくるからでした。 元々この作品が制作された理由は、とうじアメリカで大々的に売り出しをしようとしていた「フォトン・ゲーム」の宣伝的 意味合いが強かったようです。  赤・青2チームに分かれてレーザー銃で打ち合うというもので、胸とヘルメットのセンサーを打たれると負ける。という 内容のゲームで、特殊なゲーム機材を設備された部屋の中で、3対3、5対5くらいで行うものでした。  新しいタイプのゲームセンターを目指していたようです。  日本では、横浜あたりにこの施設が作られ、マスコミにも取り上げられていましたが、そのまま忘れ去られてしまいました。  アメリカでこのゲームが流行ったという話も聞きません。   もしこの作品が、アメリカで再放送されているならば、ゲームは当たらなかったけど、作品はオモシロク出来上がっていた。 という事ではないでしょうか。  わたしも、作品を見ていないので、機会があれば見てみたいものです。

フォトン撮影余話

 この作品の撮影で感じた事。    (その1)  人種国籍が、違う人々と仕事をしたので、日本にいて異文化体験が出来た。  ・主張の強い欧米人。   これはある意味日本人も学ぶべきかもしれない。なぜなら日本はかなり欧米化しているから。  ・非を認めない欧米人。  ペンキをひっくり返したイギリス人が、ひっくり返した自分ではなく、置いた人間が悪いと言っ               たのを聞いたときは、驚いた。しかし訴訟の多い国では、これも必要な態度らしい。近頃は日本               もそうなりつつあるようだ。好きにはなれないが、身に付ける必要があるかもしれない。  ・物はわかる外人。    ちゃんと説明すれば奴らもわかる。同じ人間だ。  ・人前で屁をする女性。  人前で平気で屁をこくイギリス人女性。彼女一人を見て欧米人を判断してはいけないのかもしれ               ないが、この態度は好きになれない。日本人女性は素晴らしい。  ・卑屈な日本人      欧米人に対して、卑屈な日本人。かなりいる。  ・尊大な日本人      日本人に対して、自分も日本人のくせに日本人を見下した態度をとる奴。欧米人に対して卑屈な               奴は、裏返しでこういう奴が多い。  ・人種差別的まなざし   一部東洋人を見下す欧米人は、いる。日本に来てるアジア人は、日本人に見下されていると感じ               る事が、あると聞く。  (その2)  撮影。  ・右へ曲がって、はいポーズ。  何もないとこで動いて合成すると、あら、宇宙船の中。あら、どこかの星の上。  ・今は朝?夜?晴れ?雨?    1日中セットの中にいると、何時かわかっていてもこんな気分になる。    ・勘弁して。          一番困ったのは、ぬいぐるみにダニが発生した事。カイカイカイカイ。  ・英語の台詞          本国でアフレコとはいえ、わけのわからない英語の台詞を覚えて現場入りするのは大変だ                  った。おかげで少し英語が分かるようになった?