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2003年4月29日(火)・「そのやり方は・・・」
 先日、「良久」 の慰労会ということで、アルバイトの女の子たちを連れて飲み会を行った。
 総勢5人。
 自由が丘の、とあるビルの地下一階にあるチェーン系の居酒屋。
 入り口は、どういうわけか閉鎖されていて、勝手口から入る趣向。お店の遊び心からだろうか?真意の程は不明。
 
 以前貰ったチラシに、
「絶対満足のお任せコース(3000円)に、飲み放題がついて男3980円、女3480円(2時間)」
という内容が在ったので、それを予約していた。
 不景気なので、この店はこういう形で頑張っているのだろうと思った。

   靴を脱ぎ下駄箱に靴を入れ店に入ると、客層は20代〜50代位までと幅広い。
 店員もはきはきと、明るく頑張っている。
 用意された席にスッと誘導され、始まり、始まり。
 ここまでは良かった。

 しかし・・・・・・・。

 一言で言おう。
「料理、うーーむ・・・」

 料理の味に関しては、個人の志向とかも在るのであえて美味い不味いは触れずにおく。
 しかしその内容は、
「内容の乏しい鍋、皿だけがやたらでっかい刺し盛3点盛、サラダ、甘いチーズ豆腐とパン、〆におじやetc」
 文字にしてしまうと、伝わり辛いかもしれないが、一人3000円にしてはその内容があまりにお粗末、貧弱だった。

 そしてここの特徴は、皿だけが全てにおいてデカイ。
 取り皿もでかい。
 故に、机の上は皿で一杯になり、何やらご馳走が沢山並んでいるかのような錯覚を起こす。
 これは計算された、店の狙いではないだろうか。
 皿に乗っているものは、安価なものでお上品な量にまとめられている。
 量が多かったのは、鍋の野菜だけ。そう野菜はふんだんに使われていた。大根、白菜、もやし、、、。

 だが敢えて言おう。
「料理に文句はない!」
 なぜなら、お任せコ〜〜〜〜スなのだ。
 何がどういう風に出てこようと、お任せコ〜〜〜〜〜スなのだ。
 任せたからには、何がどのように出てこようと受け容れるしかない。
 だから「絶対満足のお任せ」といううたい文句に不満はあれど、料理に文句は一つもない。

  
 次に、
「飲み放題。これは、インチキだ!!」

 飲み物は、最初の一杯目が出揃うまで15分。
 次に飲み物追加オーダーをするも、出てくるまでに常に10〜15分。
 それも催促をしてである。催促しなかったら、永遠に出てこないのではと思わせるほどの間。

 右隣、左隣には飲み放題ではない通常のお客さん。
 ここのドリンクオーダーは、間髪をおかずに運ばれる。

 90分で飲み物ラストオーダー、席は120分迄。
 その半分以上は、飲み物を待っていた。

 そして唯一これだけは早かった。
 120分経つか経たないかでの、電光石火のお会計の催促。


「デカイお皿が所狭しと置かれ、大衆料理がお上品に盛られたお任せ料理コース」
「オーダーしても出てこない、飲み放題」
「電光石火のお会計」
 このような露骨な営業方針は、私の予想をはるかに超えていた。
 この方針は、会社や社長の方針だろうか。それとも営業成績を上げんとする店長の個人的やり方だろうか?

 私は、悟った。
「安物買いの銭失い」


 自分の愚かさを悟るも、敢えて店に一言
「そのやり方は・・・・・客を減らすぞ」


後記
 しかし私も43歳となり、丸くなった事を実感する。

 以前だったら飲み物を何回もこんなに待たされたら(忙しくて出せないのではなく、出せるのに意図的に出さない)、途中で店長を呼びつけて文句を確実に言っていただろう。
 生意気なことを言おうものなら、ビンタでもくれていただろう。
 それでも判らなければ、机ごと料理をひっくり返していただろう。

 それをやるべきだとは思わないが、これでよかったのだろうか。

 私は、紳士然と振る舞い、笑顔を残して爽やかに店を離れた。
 これで良かったのだと、納得させている自分がいる。

さらに後記
 半年も経たない9月下旬。
 この店の前を通ったら、無くなっていた。
 すでに違う店が営業していた。
            


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