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2001年11月7日(水)・「あま親、ばか親、くそ親」
 11月2日(金)に私が経営するお好み焼き屋「良久」に、親子連れが予約をしに来た。
 40過ぎのお母さんと、中学生位の女の子。
 お母さん曰く、
「ほとんど中学生なんですけど、明日(土曜日)7時から20人で予約できないでしょうか。」
 店側からすれば正直言って、アルコールを飲まない中学生に、土曜の稼ぎ時を占領されるのは痛い。
 しかし、せっかく来てくれたのだからと思い、俺が、
「いいですよ」と言うと、
「本当ですか!よかったねー!」
 と、親子で喜んでいる。きっといろいろ店を回ってきて断られたのだろう。

 その時いきなり外人12人の団体が来たので、私が何とか片言英語で席に誘導。私は外人にかかり、あとの話は 上さんが聞く。色々聞いている上さんの顔がイマイチ冴えない。しかし、次々と客が来たため店は、大忙し。

   9時半を過ぎて、店が一段落したところで上さんが、
「さっきの予約、中学生だけなんだけど、、、、」
「どうなった?大人と子供、何人ずつくらいだ」
「それが中学生だけなんだって」
「親が来るだろ?保護者が」
「あたしもそうだと思ったんだけど、何か違うみたい」
「来ないのかよ。ほとんど中学生って言ってたけど、全部とは言ってなかったぞ」
「大人、来ないみたい」
「何ーー!それじゃ駄目だよ、そんな時間にガキばっか。うちは酒出す店なんだから。何で受けたんだよ、そんな の」
「いや、あの後あまり言いたがらないし、人数もはっきりしないって言うから、、、人数とか予算とか決まったら 連絡下さいって言って、はっきりOKって言って無いんだけど。」
「何だよ、お母さん来てるから、てっきり親子の集まりだと思ってたのに」
「違うみたいなの”子供達が調子に乗ってお酒頼んでも出さないで下さいね”とか言い出して、、、。電話番号は 聞いてあるけど」
「すぐに電話して断れ。保護者がいないんじゃ予約は受けられないって」

 上さんが聞いた話では、文化祭の打ち上げをやりたいと言っていて親が話に来ているので、てっきり親子の集ま りかと思ったとの事。確かに普通は誰でもそう思うだろう。しかしよくよく聞けば子供だけだという。
 バイトの地元の高校一年生に聞けば、知らない顔だから多分1年生だと思う、と。自分の行っていた中学だから 2年、3年ならほとんど顔は知っている、と。

取りあえず上さんに電話で、保護者のいない予約は受けられないと、断りの電話を入れさせる。

 今時のばか親は、中1のガキのために、店の予約を探して回るのか!
 くそ親は、子供だけだというのを隠して、ガキのために予約を取るのか!
 子供に嫌われたくないからって、ガキを甘やかしてるんじゃねぇ!
 理解のある振りをして、駄目な事を駄目といえないくそ親!

 賛否両論いろいろあるかもしれませんが、このことに関して私は譲りません。
 子供達が勝手に打ち上げの店を探して、自分達でやるというならまだしも、子供だけではどこも断られるから、 親がその片棒を担ぐとは何という事だ。嘆かわしい。
 社会ルールを無視してまで子供の御機嫌をとる。こういう親は、自分の事を子供に理解のある良い親とでも思 っているのだろうか。
 皆さん、こんなあま親にならないで下さい!
 こんなばか親にならないで下さい!
 こんなくそ親にならないで下さい!

 私は声を大にして言いたい、
「日本は大丈夫なのか!」


 翌日。
 11月3日(土曜日)7時30分。
 店内、客は2組。
 中学生っぽい子供が、10人来店。
 ん?と思いつつも席に誘導。
 早く注文して食べ始めようと落ち着かない、中学生。
「すみません、あのぉ、、、」
 飲み物と、取りあえずと言って”チーズもんじゃ”を注文する子供達。

 保護者は一緒か尋ねると、
「え、あのぉ、、えぇとぉ、、、、後で来るかも知れないけどぉ、わからない」
 君達の年齢だと、お父さんお母さんがいないと困ると、その旨伝えるが、なんか要領を得ない。
 きっと、昨日の予約の流れだと思い聞いてみると、そうだと言う。
 すぐに昨日のお母さんに電話を入れる。
「昨日、保護者の方が一緒じゃないならお受けできないと申し上げましたが、どなたか保護者の方お見えになりま すか?今子供さん達が10人来ているんですけど」
「うちの子きてます?」
「いえ」
「じゃあ、別の子達じゃないかしら。うちの子はいないんでしょ」
「来てません。でもお子さんの友達だと言ってますが」
「えっ!、あーーーーーーーーーーー(なんでそんな事言っちゃううの)、うーーーーん、そうですか。、、、、じゃあ、 あのぉーーーーーーーーーー、ちょっと、誰かとぉ、連絡とってぇ、誰か探してーーーーーーー、あの誰か行けるよう だったら、、、。誰か行けるか、探してみてぇー、、、」
 お母さん、しどろもどろ。
「申し訳ないんですが、保護者の方がお見えになっていただけないなら、連絡を取っている間といわれましても大 人数で長い時間席に座って待っていただくというのは、ちょっと困るんですが」
「一応、子供には、、、あの、、、そこは駄目だから、、、ほかで、、、中止と、、、言っているはずだった、、 はずなんですが、、、」
「今、実際見えてるので」
「どうしようかしら。、、、、でももう食べ始めてるんでしょぉ、、、だったら」
「いえ、まだお出ししてません」 (お母さん子供に駄目とか、中止とは、言ってないな。”保護者がいなきゃ駄目って言われたけど、後から来ると か何とか言って、店に行って食べ始めてしまえばどうにかなるわよ。”子供達にはそう指示したな。)
 私の直感はこう感じた。

 そんな話をしている間にも、別の子供らが注文を入れ、店のバイト達は準備している。
 私は、電話をしながらその作業をストップさせる。

 そうしていると、新手の中学生が「11人いいですか」と来店。
 その中にはきのうの女の子もいる。
 同じグループなのを確認して入り口で待ってもらう。

「今、お嬢さんもお見えになりましたけど、どうなっているのか、ちょっとお子さんと話していただけますか」

 後から来たグループの中の一人の男子が、ずかずかと店に入り込んできて
「もう注文しちゃってるんでしょ」
 さらに
「もう、食べ始めているんでしょ」
もう始めちゃってんだから、しょうがないじゃない。入れてよ、と言わんばかりにふんぞり返っている。
 なんだ、このガキは。
 ここでまた直感が働く。
(第2波として時間差で、昨日断られたはずの子が後から来たってのは、そーいう事かい。食べているという既成 事実があれば、もう食べちゃっているんだからと言って、なしくずしに何とかなるだろうって事かい。これはおま えさんたちガキの知恵じゃねーな。ふざけやがって、くそ親。)

 結局電話のお母さんにも、店の子供達にも笑顔で丁寧に説明してお引取り願った。

   お母さんは、
「うちの子は、昨日変な予約をして迷惑をおかけしたので、そちらにお詫びに行ったんですけど」
 とか何とか言っていたが、子供は動転してしまって、用意していた嘘の侘びなんか一言も言っていない。
 大体何でお詫びに20人で来るんだ。先発隊は注文して食べようとしていたではないか。そんな矛盾だらけの通用しない 言い訳まで用意していた。

 全て親の入れ知恵かい、嘆かわしい!
 浅はか、馬鹿かーさん!

 昨日来た女の子は、自分が何をやっていてどういう立場かわかっているから、おろおろして、しどろもどろで泣 きそうだし、困り果てて後ろに隠れようとするし。
 何なんだよ、これは。
 親がしっかりしていれば、子供はこういうことはやらない筈だ。
 くそ親、ばか親、あま親。

 何かおかしーよ、日本の親。

 俺は、親ばかは許す。
 しかし、ばか親は許さん。
 おれは間違っているかい?

 店をやっていると、ここまでひどくなくても、変な親をよく見かける。
 店というのは、ある種立場的に強く言い辛い部分があるが、それを逆手にとって、好き勝手に振舞うのは大きな 間違いだ。
 どんな店でも、店は大抵のことを笑顔で対処してくれるが、最低守るべきマナーとルールは守らねば。

 政治家や官僚、近頃じゃ裁判官や検事といった奴らまで、国民の見本にはならないような奴らばかりだ。
 どーなるんだ日本。
 俺は日本を憂いているのだ。
 俺は日本国民である事に誇りを持っているのだ。
 こんな光景ばかりを見ていると、日本の未来がとても心配になる。

 店で起こった事に対して強く叱るといったことは中々難しいが、俺は俺の目の前で起こった事に対して、お願い するといったかたちで、注意をする。  みんながそうすれば、日本も少し良くなっていくのではないだろうか。
 将来を担う子供達を、正しい方向に導くのは、大人の役目ではないか。
 親は、ガキに好き勝手やらせて、子供の御機嫌をとる。しつけは学校や社会に押し付ける。これじゃー駄目だよ。

 皆さん!
 小言親父になりなさい!
 うるさババアといわれる事を恐れてはいけない!
 毅然と生きているところを、子供に見せるのだ!

 もしかしたら子供は、親や大人にそういう態度を求めているのかも知れない。



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