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「100万人を感動させても」(2007.12)
 倉本聡という脚本家がいる。ご存知の方も多いのではないだろうか。
 もう数十年の長きに渡って日本のトップ脚本家として走り続けている。
 沢山の名作を世に送り出している。
 その人が、
「たとえその作品が100万人を感動させても、一人でも人を傷付ける様な作品ならば、私は書かない」
という内容の事を言っているのを最近知った。

!!!―――居たんだ・・・・・居るんだ・・・・・こういう人が・・・・。

 私は芸能界に限らず、
「結果受けるならば人なんかどうでも良い」
「嫌な思いをする人が居ても、数字さえ取れれば良い」
「売り上げ上がるなら、無理やり押し付けたって構わない」
「他を傷つけても、俺がよければ良い」
的な人間ばかりが君臨しているのが、社会だと見てきた部分がある。

 しかし、倉本聡氏のような人が居るんだ。それも日本のトップに。

 私は、こんな人と出会いたかった。
 私は、こんな人と仕事がしたかった。

 裏付けの無い私の持論に、
「本物は品格を伴なう」
「どんなに評価を受けようが売り上げや数字を上げようが、他者をオトシメタリすることによってに成り立っている物は、偽者である」
という考えがある。
 つまり、世の中偽者だらけというのが現状だと私は思っている。
 そして、そんな奴等と渡り合っていかなくてはいけないのが社会だと思っている。

 若い頃は私と似たようなことを考えていた人も、社会生活を経験しふと気付くと朱に交わり偽者側に廻っている光景をよく見る。
 生活もあるので、そう言う人々の人生は否定しない。が、肯定もしない。

 常にトップに居る倉本聡氏のような人がそういう人物だと知って、私は明るい気持ちに成れた。
 本物が居るんだ。


 努力し続ければいつか自分も実力評価とも本物と成り、本物同士が磁力で引き合う日が来る。
 そう信じれば努力出来る。
 そう信じて努力しよう。

 たとえどんなに流されても諦めずに、自分を信じて頑張るのだ。

 倉本聡氏がいつどんな時言った言葉なのかは知らないが、私はこの言葉を励みに、頑張れる。
「たとえその作品が100万人を感動させても、一人でも人を傷付ける様な作品ならば、私は書かない」

 有象無象の集団を抜ければ其処には本物の集団があるに違いない。
 其処に到達するもしないも自分次第だ。



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